こんにちは!
皆さんのUnleash pontential(可能性を解き放つ)を実現したい、コーチ兼アドバイザーの外山晋吾です。 認知科学(Cognitive Science)に基づくコーチングでは、人が本来から持つ脳の機能を正しく使って、クライアントが未来のゴールに向かえるよう、お手伝いをします。 なお、マインドの使い方に関する網羅的な説明は、以前の記事を参照ください。https://note.com/shingo_toyama/n/n5b6684248d77
この記事では、ゴール設定の基本について書きます。
能力を解き放つためには、 “ゴール設定”が一番大事です。 ゴールは、見つかるものでも与えられるものでもなく、“作るもの”です。
ゴール設定が必要な理由ですが、ターゲットにロックオンして発射されるミサイルを想像すると分かりやすいと思います。ゴールがない状態で飛び出しても、迷走したり、元の場所(“現状”)に戻ることになります。
ゴール設定には3つの要素を満たすことが大事です。 1. 本音の欲求(“Want to欲求”)であること 2.“現状の外側”であること 3.人生のバランスホイールに“複数のゴール”を持つこと
1:Want to 欲求とは
want to欲求の例: ・家族、上司、友達などの大切な人に止められてもやってしまうもの ・時間を忘れて気が付いたら集中してしまうもの ・理由はわからないけど、とにかく心がどうしようもなく惹かれるもの ・頼まれてもいないのに、苦なくやってしまうもの (幹事や会議の書き起こし等)
大人になって、社会的な責任や過去の成功体験を積んでくると、自分のwant toって何だろう?と悩んでしまう人が多いのが事実です。 僕も、コーチングの勉強を始めてから自己適用を始めましたが、本音のWant to欲求を見つけることが本当に難しかったです。
仕事で果たすべき義務(年間予算数値達成など)や、承認欲求(上司に怒られたくない、褒められたい)などであってはなりません。 これらはHave to欲求と言います。
Want to欲求の見つける手法の一つは、子供の時から現在までに自分の大切な人(親、配偶者、上司、友達=権威者)から禁止されたことを思い出し、禁止されて怒られると分かっていても、やってしまった行動を抽出します。欲求が止まらない行動が、Want toになります。
僕のWant toの一つは冒険でした。
欧州ではワクチン接種が進み、コロナ規制も積極的に緩和する政策を取っている中ですが、今月に、バルカン諸国のモンテネグロ、アルバニア、北マケドニアに一人放浪の旅に出てきました(注:2021年8月)。
住んでいる英国、旅した各諸国のコロナガイドラインを厳密に守り、定期的に自分でも簡易テストをしたうえで各国境を越えるという旅でした。もちろん感染リスクもあります。 でも、行ってみたいと飛び出したところ、知らない町や文化を知ってみることが本当に楽しく、冒険がWant toだったんだな、と感じました。
では、Have to欲求 とはどのようなものでしょうか?
Have to欲求の例
大きく3つあります。
1.承認欲求
褒められたい
良い人だと思われたい
皆に認められる人間になりたい
2.自己犠牲
あの人を支えたい
人の幸せのために我慢できる
3.自己投影
過去の自分に似た境遇の人を助けたい
過去のコンプレックス(呪い)を克服したい
憧れのあの人のようになりたい
なんと僕のケースでは、認知科学を学ぶ前には、Want toだと思っていたことが、全てHave to欲求と気づきました。 最たるものは、主務で英国人材派遣事業300人の部下がいますが、彼らの成功を自分の幸せより優先するのが、自分の“なすべき”マネジメントスタイルだ、と、信じ切っていたことでした。
「have to」も「want to」も行動する上での動機付けにはなります。 しかし、
「want to」だと、 そもそも好きなことなので意志力なしに集中できる、 クリエイティブな発想が可能になる、 のに対し、
「have to」だと、 意志をもってやらないと続かないし、 そもそもやらされている感があるので、すぐに疲れやすい などで大きく異なります。
コーチングセッションでは、Have to欲求=~すべきを、時間をかけて何回も何層も取り除き、その中に埋もれているwant toを見つけ出すことを行います。
どんな人も必ずWant to欲求があります。
自分が心からの本音でやりたいことであれば、特別な意志力は必要なく、挑戦も継続も簡単にできると思いませんか?
2.“現状の外側”であること
“現状”の定義ですが、「今のままでも予測しうる未来」です。
したがって、その予測される未来で達成可能なゴールは、難易度が高くても、現状の中にあるゴールという位置づけになります。 例えば、新入社員が同期よりも早く10年後に部長になってやる、 経営者であれば今の事業を3年後に3倍の売上規模にする、 今の仕事でサラリーマン辞めて起業してやる、 これらの目標は、成長意欲が旺盛で素晴らしいですが、今でも工夫すれば達成し得うる目標なので、現状の中に含まれます。
現状の外にゴールを設定できたときの風景はこんな感じです。 ・実現するためのプロセスもリソースも見えない! ・想像すると怖くなってくる。ゾクゾクする!(認知不協和と言います) ・周囲の人が驚いて止めてくる
現状の外のゴールとは、”とんでもない決断”を伴うものです。
なぜ、“現状の外側”にゴールを置くことが必要か
。 生命維持を第一目的としてきた脳は、基本現状維持が大好きです。 ゴールが現状の内側だと、脳の使い方が変わらないので、時間の使い方や目につく情報が変わりません。重要性が変わらない中で新しい挑戦を始めても、数日経つと意志力が薄れてしまい、もしくは臨場感の高い日常が優先され、もっともらしい理由を作り、現状の自分へと戻ってしまうからです。 間違っても、Have to欲求由来からゴールが作られ、現状の外側に置くことは避けなければなりません。
責任感がある人だとその間違ったゴール達成のために、数倍「~すべき」と努力することになり、本当になりたい自分に近づくことはできない上に、精魂を使い果たしてしまいます。
3.人生のバランスホイールに複数のゴールを持つこと 認知科学に基づくコーチングでは、設定するゴールは数や対象を絞らずに、複数の人生領域に複数のゴールを持ったほうが、お互いのゴールが良い相乗効果を生み、ゴールの実現に近づくと考えます。 一つの領域でゴールを達成すると、その後の世界の素晴らしさを体感でき、マインドがゴール志向に変わるからです。
複数のゴールの設定の方法ですが、8エリアに考えると分かりやすいと思います(バランスホイール)。
仕事:人の役に立ち、金銭報酬をもらえるもの 趣味:人の役に立たないもの 人間関係:誰とつながっているか(同僚、私用に分けて) 家族:パートナー、親や子ども、(人によっては家柄)、からみてどういう存在になりたいか 社会貢献:自分の重要なコミュニティの外へ無償での貢献(例:隣町清掃) 知性:好奇心からくる学び(仕事とそれ以外)、知性の向上 健康・美容:上記のゴールを実現するための健康・美容の在り方 ファイナンス:上記のゴールを実現するための収入や資産額
例を挙げると、趣味では、切手などの収集や歌をうたうことなどが分かりやすいです。 僕の場合はマラソンが好きで、2年前に4時間を切ったので、今は3.5時間切りがゴールです。実現したらすごいですが、誰の役にも立たないですし、マラソンしない人にはその30分の違いが全く分からないですよね(笑)。
人間関係は、皆さんの周りでの理想の人間関係でもいいですし、仕事関係や趣味関係のネットワークを築くでもいいですし、ちょっと変則的に例えばマイケルジョーダンやメッシと将来友達になりたいでも構いません。 彼らと付き合えるような自分を想像すると、どんな生活をするべきか、どんな人といつも付き合っているか、自らイメージが湧くと思います。
ファイナンスは、生活をするには収入がいくら以上必要と考えることから、Have to欲求になりやすいので、最後に設定するのがコツです。
また、健康も必ず設定してください。他の複数のゴールをかなえるために、睡眠時間を削ってしまった結果、体を壊すなんてならないためにも、この健康領域もゴール設定も行うことが必須です。
女性などは美容ゴール(髪質を変える、10歳若く見えるなど)がエフィカシーを大きく上げることにつながるかもしれません。
人生の全領域で、純粋に自分の本音のWant to欲求でゴールを掲げてください。
自分勝手だな、とか、エゴだな、とか最初は罪悪感を感じるかもしれませんが、それで良いんです。そんなWant toを置いて、それに紐づけてゴール設定します。
仕事、趣味、家族、美容などの領域で設定したゴールを設定して、ゴール世界に生きると、みなさんの毎日24時間が、Want toにあふれ、集中してワクワクしている生活に様変わりします。人生まるごとエンターテイメントになります。
その後に、他者への貢献などが加わっていくことで、人生の全方位で充実感あふれる世界が待っています。
人間は、「今、ここにないもの」を生み出すことができる、地球上唯一の存在です。 自分だけの本音のゴールを設定し、笑顔でずっといられる生活を楽しみましょう。
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