コロナ禍も数年経ち、ビジネスをめぐる環境は、混迷から平常に戻ってきていることと思います。
しかし、嵐は去ったとはいえ、今もコロナの脅威の揺り戻しが起こり、さらにVUCA時代の未来予測の不確かさは加速している。そんな中、「脅威は機会」とポジティブにとらえようとしても、悩みは尽きないと思います。
例えば、こんな悩みをよく聞きます。
採用増に踏み切れない。
働き方改革やリモートマネジメントを進めているが、仕事ぶりが見えない。
コロナ要因で直近の市場データが使えず、売上の半年先のトレンドも読めない。
それらの足元要因に加えて、海の向こう側では進んでいるであろう技術の指数的進化も情報があまり入らなくなった中、事業のかじ取りはさらに難しくなっています。
従業員やその家族、取引先にも思いを寄せると、皆さんの責任の重さは計り知れません。
そんな中、変革一本で経営や戦略策定をして、事業が迷子のようになっていませんか?
僕がマネジメントしている英国の人材派遣事業では、昨年長く厳しいロックダウンが続きました。
オフィスに戻れず、顧客先にも行けない中でしたが、完全リモートで労働者を募集し、今までとは違う働き方を現場メンバーがすぐに適応できたことで乗り切れました。 ロジスティックや食品加工の、生活必需品のセクターの顧客が多いことから、労働者の提供を通して、コロナ禍の経済を支えることに部分的に貢献できたと自負しています。
コスト改革をロックダウン宣言から大胆に即断で実行したことは、受注に対して労働者を充足するという、コア価値を認識できていたから。難しい事業環境の中、メンバー全員がコミットできていました。
また、事業を守るだけでなく、ポートフォリオを増やして経営の柔軟性を高めるため、新規事業をつくり、専門職領域の会社を買収するなど、攻めの経営も行いました。
結果的に、良い変革機会になりました。 しかし、振り返ってみて感じているのは、慣習や既存モデルに固執する怠慢経営はもってのほかですが、”変革”そのものが目的や手段となるのも、陥りやすく危険だということ。
・短期視野的な変革は、市場のトレンドと外れる ・変化についてこれない組織メンバーがいる ・近い未来でも不確実要素も大きく、目に見えるリターンは悪い ・成長戦略が定まらない中、投資の決定を行う ・大胆になることに固執し、経営方針が一貫しなくなる
変革自体を目的にしてしまうと、こんな罠に陥ります。
これからの事業経営には、企業独特の世界観をしっかり作ったうえで、明確な変革を行うことが必須と考えます。
より実務的な言葉で言えば、MTP(Massive Transformative Purpose/最低30年以上先に実現する、現状とはまったく異なる世界観)を真剣に考えることです。いわゆるGAFAやテックのスタートアップなどは、MTPを真剣に考え、経営をしています。
例えば、僕の属する人材派遣業界では、ストレスフリーな履歴書登録、リアルタイム雇用ブッキング、ジョブ推薦の自動化などが、技術の進化で近い未来世界で当たり前になります。
しかし、ただ単に、DX化やUI変革を進めるだけでなく、本当に候補者のニーズに対して応えたいものは何かを臨場感持って描けること。
例えば、ブルーワーカーの担い手である東欧移民で英語の苦手な人には多言語対応ヘルプデスクや、働き甲斐の持てるキャリア機会を提供するなど、雇用という人生の大事なイベントで提供したい価値は、どんなMTPに置くかで変わってきます。
皆さんの事業課題や成長戦略の、「変革の解像度を上げる体験セッション(特別価格 25,000円/90分)」を承ります。
異業種でも、様々な経営ステージの経営者や起業家の方でも、気づきやアイデアを得ていただけることと思います。
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